実家が母屋を新築したのは、もう40年近く前の話です。茅葺きの平屋住宅から、瓦葺きの二階建て住宅になりました。隣接する納屋兼住宅は二階建てでしたが、母屋も二階建てになって嬉しかったことを思い出します。

間取りを決めるとき、玄関の右側に「応接間」、左側に6畳2間続きの和室をつくることを優先しました。その結果、家族がコタツでくつろげる「お茶の間」が4畳半になったのです。もちろん、これだけの空間があること自体が贅沢ですが、家全体からすると狭く感じました。

玄関は南向けにあるため、応接間や6畳2間続きの和室も日当たりのよい特等席になりました。これらの部屋は、来客があるときや冠婚葬祭のときなどに重宝します。しかし、自宅に大勢の人が集まる機会はどんどん減っています。結婚式はもちろん、お葬式も近くの会館を利用するケースが増えてきたからです。

このような経験から、住宅の間取りを考えるときは、ふだん住んでいる人を優先することが大事だとわかりました。もちろん、日頃から出入りが多い親戚がいる場合は、その人たちが過ごしやすくなる配慮も必要です。

その後、実家の母屋は築20年くらいで水回りをリフォーム。4畳半の和室と約7畳キッチンをいっしょにして広々した空間にしています。

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